問題点の追及なき報道の責任を問う

安倍晋三前首相が突然の退陣を表明した。その後は新しい自民党総裁、次期首相の記事が溢れた。

森友学園、加計学園、桜を見る会などの問題点は辞任したとたんにゼロになるわけではない。しかし、様々な疑惑がメディアではほとんど取り上げられなくなり、安倍政権の支持率が上昇した記事さえ見られた。本来は、引き続きこれらの疑惑を追求するのがメディアの責任である。

大阪都構想

大阪市を廃止する「都」構想の協定書が府議会(8月28日)、市議会(9月3日)で可決され、住民投票実施が決定した。

協定書が可決されたという正確な意味は住民投票が可能になったということである。メディアはその事実を正確に伝えるべきであり、注意して報道を読まないと、あたかも都構想案が「可決された」との誤解を招く恐れさえある。

そもそも、一回きりであり否決されれば都構想は終わりだといって、前回の住民投票は実施されたはずである。今回、再度実施を画策すること自体が異常なことで、協定書を議題に載せること自体がありえないことである。そのことを追及するメディアの姿勢はほとんど無かった。

新型コロナ対策で日本中が大変な時期に住民投票を実施することも為政者の方針としては、厳しく追及されるべきである。メディアは本来この強引なやり方を批判すべき立場にある。

この問題の本質は、議会で多数を占める「都」構想推進派がなりふり構わず大阪市を廃止して、特別区を設置しようとすることである。まさに、民主主義の根幹にかかわる問題で、こんなことがまかり通るなら、何事も議会の多数派の思い通りに進んでしまう。

メディアはこの問題の本質的な異常性を繰り返し、分かりやすく伝え続けるべきである。

新型コロナ対策

新型コロナ関連でも、感染者数の報告に終始し、ほんの少し、新型コロナの治療に携わっている医療機関の疲弊、窮状を伝えるに留まっている。コロナ感染の恐怖と向き合いながら、日常診療を続けている医療関係者の現状は詳しく報道されていない。

10月からは発熱患者は保健所ではなく、まず医療機関に電話をして相談することになった。この変更により、医療現場はさらに混乱することになる。今、改めて訴える。メディアは問題点を追及し、国民が冷静、公平に判断できる材料を提供する役割を果たすときだ。


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