医療問題と政治は直結している今「保険医運動」の在り方とは


猛暑の夏、お盆休みに旅行する会員諸氏も多いだろう。車で海や山に出かけ、宿泊所で束の間の休暇を楽しむ人もいると思う。中には家族サービスでかえって疲れるという人もいるだろうか。ところで、車のモデルチェンジは日頃CMなどで見聞きするものである。また有名老舗旅館やホテル、あるいはレストランなども「変わらぬおもてなし」を伝統に掲げながら、施設内のアメニティや接客態度など、日夜サービスの改善に取り組んでいると感じることがある。後者の場合、実に毎年1%程度ずつ変化させてゆくことが多く、通常私たちは変わったと気付かない。

保険医協会の日々の活動を改めて振り返ると、以前にも増して取り組むべき課題が増えていることに気付かされる。社会保障とりわけ医療・介護分野のめまぐるしい変化に対して、我々の運動が後追いになってしまう事態も残念ながら起きているのは事実だ。

そして政治は相変わらず、私達が従事する医療・介護現場の状況を無視し、患者窓口負担を引き上げ、診療報酬・介護報酬は抑える方針を頑なに突き進んでいる。さらに昨今の日本の政局は、もはや何を信じれば良いのか分からなくなるほど、虚偽答弁や隠蔽、ねつ造といった〝ごまかし〟の有様である。医療人は政治に踏み込むべきではない、という意見をこれまで何度か聞いてきた。だが、医療機関の経営の基盤となる報酬改定の問題は、まさに医療に関連して現状の政治を考えることと直結するのではないだろうか。

残すべきものと変えるもの見極めて保険医運動の発展を

医療問題を主体に、日本の政治を考える視点を重視した、保険医協会の活動を充実させるためには、役員の層をより厚くすると同時に、会員の協力をこれまで以上に募る必要性がある。なかでも特に強調したいのは、新しい世代の会員には保険医協会の活動に共感し、協力頂けるような保険医運動のあり方を、模索するべき時期に差し掛かっているということである。

安保闘争に象徴されるような激動の時代を経験してきた先輩役員らのメンタリティとは明らかに異なる世代が、次々と保険医として誕生する事だろう。先人達が培い繰り広げてきた保険医運動の根幹となるエッセンスを大切に残しながら、時代に適応した大胆な変化を受け入れることも重要だ。新しい考え方やアイディアを、車や老舗店の努力に見習って取り入れていくことである。ただし、残すべきものと変えていくものをしっかりと見極めて保険医運動を発展させることが肝心なのは言うまでもない。

最後に制度に振り回され多忙を極める若い世代の会員諸氏に伝えたい。保険医協会の活動に皆さまの現状やご意見を是非ともお寄せ頂ければ幸甚です。そして一緒に保険医運動に参加してくれる人を役員・事務局一同、心よりお待ちしています。

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