医師のちからで政治を変えよう―社会保障削減「骨太の方針」から転換を

あいつぐ失政や不祥事で支持率が低迷した菅内閣は、6月になってコロナワクチンの優先順位を地域自治体から大手企業の職域接種へと変更した。

しかし、思いつきの号令による政策変更という失態のため全国でワクチンが不足し、今後の見通しは立っていない。国民の命と財産よりも五輪を優先させ、コロナ禍を再拡大させたといっても過言ではない。

ところが、政府やワイドショーの評論家はワクチン不足に対して、国民からの不満や批判を自治体や開業医に転嫁しようとしている。また、コロナ禍による医療崩壊も民間病院や開業医が「遊んでいる」ことが原因であるとし、医師をコロナ病棟に強制的に動員すべきとしている。コロナ禍の閉塞感に陥る国民の心理を巧みに煽りたて屈折させ、誤った政策を遂行しようとしている。

マスコミを使った恣意的な世論誘導は、2021年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)でも使われている。骨太の方針では社会保障を大きく削減するために4つの「改革」が企図されている。

❶応能負担の強化。窓口負担を2割・3割にと大幅に増加させて高齢者・中間層から家計余剰金を絞り立て、しかも受診抑制を図る。公費負担制度を更に削減する。

❷診療報酬の削減。安価な包括払い制を推進する。平均点の高い都道府県ほど1点単価を引き下げる。

❸「効率的な」医療体制の構築。基幹病院を機能強化・集約化し予算を重点配備する一方で、開業医は従来よりも安価な「かかりつけ医」制度を推進する。一般病床を削減する。湿布や風邪薬・漢方薬を保険給付からはずす。

❹医療のデジタル化。マイナンバー資格確認と初診からのオンライン診療の推進により貴重な医療財源をIT企業に移転する。そもそもオンラインで診断や治療ができると考えるのは不遜である。

コロナ禍の医療崩壊は、効率化を徹底的に追い求めた新自由主義政策による保健所削減・病棟削減・低医療費政策に起因している。全国のなかで突出して大阪府が著明な医療崩壊を引き起こしたのは、まさに大阪維新政治による社会保障の大幅な縮小が原因だ。コロナ禍で多くの国民を苦難に落とし込めた新自由主義は既に破綻しており、それとはまったく逆に国庫から社会保障に対する大幅な財政出動が求められている。

もはや財務省主導で社会保障を大幅削減する自公連立政権に期待することは何もない。残念ながら医療制度は時の政治に支配されている。

それ故にこそ私たちは今年秋の総選挙において旧来型の利権政治を終了させ、市民と野党との結びつきのなかで政治を変えていこうではないか。


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