保険医の経営と国民医療を守る―2019年の保険医協会の取り組み

今年は特別な年であった。平成から令和へと元号が変わり、平成の30 年間に一区切りがついたが積み残した多くの問題があるうえに新たに様々な課題も出てきた。更には地球温暖化も関係して気象異常が起こり、台風や集中豪雨により大きな被害が日本列島を襲った。国際関係では米中貿易摩擦、日韓関係悪化、英国のEU離脱問題、ホルムズ海峡問題、核の拡散など緊張を孕んだ世界状況である。

このような中で安倍長期政権の気のゆるみで閣僚の交代が相次ぎ、政治は機能不全に陥っている。市民生活に大きな影響をもたらす消費税に関してはキャッシュレス特需の一方、増税廃業も増え国民の生活を圧迫している。原発問題に関して関電幹部の金品受領問題が発覚するなど信じられないことが起きている。そしてますます少子高齢化が進み、医療・介護を取り巻く経済的、社会的環境は厳しくなっている。

この1年間、医療に関してどのような問題があったのか、また大阪府保険医協会は、保険医の健全な経営と市民の安全・安心を守るためにどのような活動をしてきたのか主な課題について一部を振り返ってみたい。

多くの課題解決に向けて活動を続けた1年間

▼妊婦加算の凍結
凍結の問題を指摘したうえで、妊産婦医療費助成制度の創設運動を行った。

▼維持期リハビリの廃止
存続を求める患者署名を厚労省に提出し交渉。

▼マイナンバーカードを用いたオンライン資格確認を含む医療保険関連法
会員の意見調査も行い厚労省へ十分な再審議を求めた。

▼支払基金改革
都道府県支部廃止、レセ審査手数料の階層化などが2021年から実施される。問題点について厚労省と交渉。

▼未来投資会議「医療・介護の軸足を〝予防〟へ転換」
自己責任論の拡大による分断・対立を生む危険を指摘。

▼不合理審査・査定
保険医協会でアンケートを実施。審査・査定についての不満が顕著。改善を要望し懇談。

▼地域病院、再編リスト公表
地域住民の生活を無視した内容に対して抗議談話を発表。

▼2020年度診療報酬改定
マイナス改定、患者負担増、薬の保険外しなどに対して診療報酬引き上げとストップ患者負担増などで中央要請行動。院長署名は千筆を超え、今後の患者負担削減を求める運動に勢いをつけた。

▼B型肝炎ワクチンの供給不足
改善に向けた要望書を厚労省へ提出。

▼大阪府との交渉
福祉医療費助成制度の改善、妊産婦医療費助成制度創設、カジノ誘致の撤回などを求めた。

▼大阪府による高校生へのIR推進局作成のリーフレット配布
大阪府に対し理事会抗議声明を発表し、府交渉で問題指摘。

▼学校健診後の受診・治療実態
全国の小・中・高学校を対象に実態を調査。健診後の未受診率は各科約50%前後。背景には経済的理由などがあり助成が必要。

▼核兵器廃絶
原水爆禁止世界大会in 長崎に参加。市民社会の力で廃絶へ。

▼第34回保団連医療研究フォーラムin大阪
10月に開催し成功裡に終了。未来へつながる企画となった。

令和元年、保険医協会は多くの問題解決に向かって行動してきた。今後さらにAIと医療など未来の医療のあり方にも取り組んでいくことになるだろう。


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