会計検査院検査に伴う医療費の確認調査について

mushimegane

保険診療 虫めがね No.51

 

7月に入り、会計検査院の会計実地検査に伴う医療費の確認調査により診療報酬の返還を求められたとの相談が寄せられています。今回は確認調査の概要と主な指摘事項について紹介します。

会計検査院は会計検査院法に基づき、行政機関の会計経理が正しく行われているか等を監督する機関になります。医療・介護に関する分野では、診療報酬・介護報酬が適正に支払われているか、地方厚生局や都道府県、保険者等に対して検査を行うことになりますが、あくまでも行政機関に対する検査であって、直接保険医療機関に対して検査を行うものではありません。

会計検査院は地方厚生局や都道府県に対して、診療報酬の支払いについて事実確認するよう指示し、地方厚生局や都道府県が保険医療機関に対して確認調査を行う流れになります。

確認調査は個別指導とは異なるもの

例年確認調査は7月頃に実施されており、今年も7月初旬に実施されました。約1カ月前に、日時、場所、確認事項が記された通知が届きます。この確認調査は個別指導とは全く異なるものであり、必ずしも管理者が出席する必要はなく、事実関係を確認できる者が出席すればよいとされています。また、カルテ等の持参物も必要ありません。指定された日時、場所に赴き、確認事項について指摘を受けることになります。

個別指導よりも長期にわたる自主返還

実際に調査を受けた医療機関の話によると、大阪府及び厚生局は診療報酬の算定を誤っていると思われるレセプトを示し、同様の事例があるかどうか事実関係を確認し、間違いがあれば診療報酬の返還手続きを取るように指摘されます。

調査の時間は20分程度と短時間で行われます。返還対象期間は、今回の調査では平成29年3月診療分から令和元年6月診療分までの2年3カ月に及ぶ期間とされており、個別指導における自主返還の期間である1年間よりも長期にわたる期間が対象とされています。

リハビリの指摘が多数

主な指摘事項を紹介します。一つは疾患別リハビリテーションについて、要介護被保険者等に対して標準的算定日数を超えてリハビリを行う場合に、本来減額した点数を算定しなければいけないケースで減額していない事例が多数指摘されています。

この場合、算定日数上限の除外対象者や状態の改善が見込める患者等の場合は減額する必要がないため問題ありませんが、リハビリカルテや計画書等を精査し、減額対象者かどうかを確認されることになります。

また、要介護者・要支援者かどうか確認する作業も大変ではありますが、日常的に可能な限り介護保険の有無を確認しておくことも大切です。さらに、リハビリでは新たな傷病等を付け替えて、標準的算定日数をリセットして算定している事例も指摘されていますので、ご留意ください。

配置医師との関係で算定できない点数に注意

次に、『保険医新聞5月5・15日合併号』でも取りあげましたが、特別養護老人ホーム等の配置医師がいる施設入所者に対して、初再診料や医学管理、在宅医療などの算定できない点数を算定している事例も指摘されています。

複雑なルールの中で、算定制限を受ける施設なのかどうか判断に困る事例もあるかと思いますが、ご注意いただきたいと思います。詳細は「保険診療の手引」P1183~をご参照ください。上記以外にも療養病棟入院基本料の医療区分の妥当性が指摘されている事例もあります。

いずれのケースも、すでに保険請求は通っており、一次審査で減点されていることは少ないようです。請求が終わって2年近く経過して指摘されることとなるため、自主返還となると調査を受けた医療機関の負担も大きくなります。いずれにせよ、日常的に保険請求の算定ルールを確認しておくことが大切になります。


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