会員の要求に基づく1年間の旺盛な活動を振り返る

今年もコロナに翻弄された1年だった。収束の期待は見事に打ち破られ、感染力の強い新変異株「オミクロン株」に身構えながらの物騒な年明けとなる。日常診療の様々な環境変化や診療報酬改定等に対応すべく、保険医協会は準備を怠ることのないようにしたい。そのためにもこの1年間の旺盛な協会活動を保険医新聞の記事を中心に振り返ってみることにする。

国や府のコロナ対策は、大規模PCR検査による早期発見・保護・治療、保健所による陽性者・濃厚接触者の追跡調査、ワクチン接種の段取りなど悉く問題を残した。府民は、3密を避けマスク装着、手指消毒を励行したにも関わらず、感染の拡大、多数の自宅待機者と死者の発生など大きな被害を出すことになった。診療所や病院は、政府の財政支援も遅く貧弱だったが、目前の患者を救うために可能な限りの対応を行った。

保険医協会は、数次にわたり会員調査を実施し、マスメディアは会員の生の声を頻回に取り上げた。それだけにワクチン対応や医薬品不足、コロナ患者に対する在宅療養への方針転換など行政の場当たり的な対応に唖然とした。

次に記すべきは、レセプト減点の面談による異議申請廃止に対して抗議したことである。国民皆保険確立と共に歩んだ、大阪で唯一機能している「面談による民主的な再審査請求」廃止の撤回を求めて、アンケートや理事会声明、支払基金への要請等に取り組んだ。基金は「〝面談〟は事例に応じて対応」と回答し、協会要請に理解を示し、完全廃止を踏み留まらせる成果を得た。

7月には、第8回日常診療経験交流会を医科・歯科合同で開催した。近年の特徴として血液疾患、糖尿病、女性専用泌尿器科、在宅など専門に特化した分野からの演題発表も増えている。同時に労災・職業病に臨床領域を広げた塵肺、石綿肺などのアスベスト関連疾患の報告や日常診療の工夫の発表など、会員の身近な要求に沿った交流会の重要性も確認された。

そのほか、新年早々強化すべき重要な取組課題が目白押しである。

高齢者370万人が影響を受ける「75才以上の医療費窓口負担の原則2割化法」は、6月に超短時間の審議のみで成立したが、来年10月に向けて、実施させない運動が重要である。

今年は「みんなでストップ!負担増」署名に精力的に取り組み、2万1千筆を政府に提出した。年明けからは「75才以上医療費窓口負担2割化中止」請願署名を開始する。地域医療を守るためにも大きな支援を頂きたい。

ほかにも、骨太方針2021では対面原則の診療形態から「オンライン初診」を解禁し恒久化することが狙われている。医療の質を劣化させるデジタル診療の拡大と「オンライン初診」を医療費削減の梃子として導入しようとしており強力な反対が必要である。

そして来年は診療報酬改定もあり、医療の本筋から逸脱し、あけすけに医療の民営化・営利化を進めようとする財政制度審議会や医療費の一層の削減を政策面から支える骨太方針に歯止めを掛ける取組み、診療報酬の10%以上の引上げの運動が重要である。


保険医新聞掲載

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