ミャンマーの民主主義を考える―北東アジアに平和基盤の共同体を

ミャンマーは2月1日、国軍によるクーデターが勃発し、アウンサンスーチー国家顧問率いるNLD(国民民主連盟)政権は暴力的に破壊された。

直ちに市民による抵抗運動が始まり政情不安が続いている。2日後には医師らの呼びかけで全国の病院、医療機関の公務員が立ち上がった。100万人規模のゼネストも組織され、抵抗運動は全国に拡大している。

抵抗の象徴の3本指を立てた非暴力不服従抵抗運動に対して、国軍は無差別テロを繰り返し、すでに800人以上の死者が出ている最悪の事態になっている。国民に銃を向けることを国軍は即刻中止し、議会制民主主義の実現を訴える当たり前の国民の要求を受け入れるべきである。

ミャンマーは1989年にビルマから国名を改名したが、日本とかかわりの深い国である。戦後一貫して経済発展を援助する形で、国軍が経営する企業を含め良好な関係を築いている。現在、日本企業440社が進出している。

両国関係の友好の象徴として『ビルマの竪琴(竹山道雄著)』がよく知られているが、〝白骨街道、靖国街道〟と称される日本軍敗走の地であったインパール等、第二次世界大戦中の日本軍侵略の負の歴史を忘れてはならない。保団連初代会長中野信夫氏は、インパール作戦ビルマ敗走記『軍医殿!腹をやられました』を著し、実体験を語っている。

今回の国軍によるクーデターは、民主主義社会を熱望する全国民の希望を踏みにじった。

NLDは、2015年の国会議員選挙で491議席中390議席を獲得、2020年11月選挙でも396議席(83%)を獲得し圧勝した。

2021年2月1日、国政選挙の結果を受けて2期目のNLD政権発足を前にして連邦議会が招集されるその日、国軍は「選挙に不正があった」という口実でクーデターを決行した。世界各国・国連から「最も強い言葉で非難する」表明が続き、国軍は孤立している。

米中の思惑に左右されない打開策が最も重要であるが、ミャンマーも一員である1976年発足のASEAN(東南アジア諸国連合)の行動に注目が集まっている。「ミャンマーの将来はミャンマー国民によって決定されるべき」、「(政治的安定が)集団的な平和・安定と繁栄に不可欠」との考えでASEANは一致している。

グローバルな経済は、新自由主義・市場原理主義と結合して、国家間、国民間に著しい格差をもたらしている。

今回のミャンマーの民主主義破壊はその現れであり、国民の安定した生活よりも、国軍の経済的利益・既得権益を優先した結果である。

日本も複雑な関係にある北東アジアの経済大国として、平和を基盤にした北東アジア共同体構想を真剣に考えるべき時期にきていると、ミャンマーとASEANの関係は教えてくれている。


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