ポストコロナの生活は変わらなければならないだろうとは、なんとなく誰もが思い始めている。ウーバー・イーツはあっという間に新業態となったし、在宅テレワークも当たり前になりつつある。

エッセンシャル・ワーカーという耳慣れない言葉も、医療・介護をはじめ「社会に基本的不可欠な労働が存在する」ということを気づかせてくれた。しかし、そのタイミングで日本の医療は崩壊に直面している。

一見すると無関係に見える気候変動もまたティッピング・ポイント(臨界点)に達していて、これを食い止めなければパンデミックは10年に1回くらいの頻度で起こるだろうという予測がある。

これに対してSDGsとかグリーン・ニューディールで克服できるというのは、先進国の豊かで便利な生活を決して手放したくない人たちの先延ばしの発想であると指摘する学者たちが現れた。スウェーデンの少女グレタさんの怒りはこの点に由来する。

ノーベル化学賞のパウル・クルッツェンによれば地球は「人新世(ひとしんせい)」という時代に入ったと言う。経済発展は途上国からの搾取によってのみ可能で、地球上には搾取できる部分がなくなりつつあるという。グローバル化が地球全体に行きわたって資本主義が地球を食いつぶしてしまうというのである。

ドイツで資本論を研究した斎藤幸平氏は、この地球の状態に効くワクチンが資本論であると提唱する。米国のMEGAが出版を始めたマルクスの未発表だった膨大なノートにその考察が見られたと言う。

一方で技術革新が進めば問題ないという楽観的な学者や、弾力性のある発想に立てば地域コインのような新しいビジネスチャンスがあるとけしかける経営コンサルタントもいる。

こんなスケールの大きい議論を今すぐ咀嚼することには無理があるが、今我々にできることは、自分の利益を考えるだけでなく、周辺の利益も考える成熟した社会を作っていく必要があるということであろうか。 地域の医療、介護を見直し、地域でエッセンシャル・ワーカーを確保し、経済も地域あるいはコミュニテイでまわって行けるように、一極集中ではない分散型の活動を強める必要がある。

今、地球を食いつぶさない世界的なルールとエッセンシャル・ワーカーの地位向上が急務であろう。


ページ上部へ戻る