「近畿厚生局管内で実施している個別指導等に関する要望」に関する、近畿厚生局からの文書回答(2017.11.28)


※近畿厚生局との懇談の様子は、大阪保険医新聞 2018年1月25日号 4面に掲載

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【個別指導等の運用に関して】

【適時調査に関して】

 

【個別指導等の運用に関して】

1.教育的観点を徹底した個別指導の実施と行政手続法
  • 新規個別指導は教育的な観点を徹底し、不都合があれば新規指導の場で解決し、再指導を行わないこと。
  • 被指導者に対して、紳士的対応ではなく叱責する一部の指導医療官のケースや、指導が「威圧的」に感じたという報告も複数寄せられており、「指導大綱と行政手続法に則った指導を行うよう、指導医療官への教育を徹底すること。」の要望に対し、「近畿厚生局の指導医療官及び事務官においては、指導大綱に基づき個別指導等を実施しているところであり、懇切丁寧に行うことを十分理解のうえ指導に当たっているところです。」と回答されたが、新規個別指導を受けた保険医からの報告では、隣で行われていた新規個別指導で指導医療官が大声を上げ「恫喝とも受けとれる」指導との報告が複数人から寄せられている。指導医療官の裁量に任すのではなく、相互チェックができる体制をとり、このようなことがないように要望する。また指導医療官に対して、研修会等が行われているのか回答すること。
  • 指導大綱にない個別指導の「中断」は厚生局側と保険医・保険医療機関の双方が納得しうる合理的理由がある場合を除き行わないこと。また、平成28年度において、近畿厚生局管内の府県で行われた個別指導での「中断」は延べ何件あったのか府県別で回答すること。

〔回答〕

個別指導等の実施については、指導大綱及びその他通知に基づき、各厚生局が統一的に実施しているところであり、療養担当規則等に定められている保険診療の取扱い、診療報酬の請求等について周知徹底することを目的とし、懇切丁寧に指導を行っているところです。

①新規指定の保険医療機関に対する指導についても、上記の目的のため教育的な観点から実施しているところですが、指導の結果、適正を欠き、再指導を行わなければ改善状況が判断できないものについては、「再指導」としています。

②この件であるかどうかはわかりませんが、平成29年3月11日付けで、兵庫県保険医協会から、同様の趣旨の抗議文が届いていることは承知しています。

いずれにしても、個別指導等の実施については、懇切丁寧に行うことを十分理解のうえ指導に当たっているところであり、誤解されることのないよう留意することを会議等の場で周知徹底しているところです。

③諸事情により、予定した時間内に終了できなかった場合にやむを得ず中断する場合があります。その場合は、保険医療機関に中断となった埋由を、十分説明しています。なお、中断の件数については、公表していません。

 

2.選定理由の開示及び指導結果理由の明確化
  • 「再指導」「経過観察」などの指導結果については指導担当者間の合議で決定しているとのことだが、特に「再指導」となる場合は、経過観察では改善が見込めないとする根拠と基準を示すこと。
  • 個別指導の講評のための打ち合わせ時間は、指導時間とは別にとるのではなく指導時間内で行うこと。
  • 個別指導の当日に口頭で指摘事項等を説明した内容と指導結果通知での指摘事項の内容に違いが生じるのは行政手続法違反であり、このようなことがないようにすること。

〔回答〕

①個別指導の実施については、指導大綱及びその他通知に基づき、各厚生局が統一一的に実施しています。個別指導の結果、改めて診療録等の関係書類を確認し、改善状況を確認する必要があると判断した場合は再指導としています。

②個別指導の時間については、指導大綱及びその他通知に基づき、全国で統一的に診療所は2時間、病院は3時間とされ、指導時間については、取り纏め及び講評に要する時間は含まれないものとされています。

③個別指導の当日に口頭で指摘事項等を説明した内容と指導結果通知での指摘事項の内容に違いが生じている事例については、承知していません。なお、講評については、すみやかに改善していただくため主な指摘事項等を説明しているものであり、後日、正式に指導結果の通知を行っているところですので、行政手続法違反との指摘には当たりません。

 

3.持参物の軽減
  • 通常個別指導の通知において「長期の療養患者等のため書類が膨大になる場合は相談するように」となっているが、持参物の対象期間は原則2ヵ月以内となるようにすること。
  • 「電子カルテの場合、訂正、修正、削除された記録を含めてプリントアウトすることとなっているが、修正等によって「版」が増え、1日分の2号用紙が同じような内容のもので複数枚、多いときには10枚以上になるケースがあり、準備に時間と手間がかかり日常診療に支障をきたしている。訂正、修正後の最終版の持参のみにすること。」の要望に対して、「電子カルテの場合については、プリントアウトしたものを持参していただくこととしていますが、電子データで持参する旨の申し出があった場合は、閲覧するための電子機器及びソフトウエアを準備していただくことを条件、個別の事例に応じて対応することとされました。」と回答されましたが、電子カルテを使用しているほとんどの医療機関は、ソフトを閲覧しやすいノートパソコンにインストールしておらず、電子データの持ち込みは困難であり、プリントアウトした紙で持ち込まざるを得ないため、訂正、修正後の最終版の持参のみにすること。

〔回答〕

個別指導等の実施については、指導大綱及びその他通知に基づき、各厚生局が統一的に実施しています。

保険医療機関における書類の作成状況、管理状況等を確認するためには、一定の期間の書類の確認が必要だと考えています。

ただし、書類が膨大で持参が困難である等のご要望が寄せられたことから、昨年度から、個別の事情に応じて対応するよう見直しがされたところです。

指導目的を達成するため、持参に協力していただきたい。

また、電子カルテ等を電子データにより持参することが困難な場合は、紙に印刷して持参していただくしか方法がありませんが、保険医療機関における診療報酬請求の根拠となるカルテを訂正、修正している場合は、紙カルテを使用している保険医療機関への指導と同様に確認をする必要があると考えます。

 

4.指導実施日程
  • 集団的個別指導の日程については、指導監査課(大阪)が実施しているように当初の日程から複数日・複数会場で設定し、そのことを通知文書に示すこと。

〔回答〕

集団的個別指導の実施にあたっては、特に大規模である指導監査課(大阪)においては、一会場における収容人数等を勘案して、複数会場としているところです。

現在、規模が小さい県においては、一会場で開催可能であることから、複数日開催・複数会場としていない県もあります。複数日・複数会場で集団的個別指導を実施するべきとの、ご要望の趣旨を踏まえ、経費増額の影響も勘案しつつ、引き続き検討していきたい。

 

5.弁護士の帯同及び録音
  • 弁護士帯同は被指導者の権利である。権利実現のためには隣席での帯同が不可欠だが、実際には被指導者から離れたところに帯同弁護士の席を用意されていることがある。しかし、帯同弁護士は被指導者に委任された立場であり、被指導者の要望によって隣席帯同は当然行使されるべきと考える。仮に隣席が不可だと言うなら理由を示すこと。

〔回答〕

保険医療機関が弁護士の帯同を希望した場合は、弁護士には発言、質問等が認められないこと等の一定の条件の下、帯同を認めています。

個別指導は、あくまでも保険医療機関の開設者並びに勤務する保険医、診療報酬請求事務担当者等に対して行うものであり、当該保険医療機関に勤務しておらず、業務に関する説明を求めても回答することができない弁護士は指導の対象ではありません。

したがって、指導対象ではない者は、保険医等に隣席する必要はないと考えますが、隣席ができない根拠はありませんので、各事務所において臨機応変に対応しているところです。

 

6.指摘事項
  • 「患者から一部負担金を徴収した後に診療報酬の請求内容を変更し、又は減額査定されたことにより、患者から徴収した一部負担金額に変更が生じた場合は、差額を徴収又は返金すること。」(平成 27 年度個別指導(医科)における主な指摘事項 近畿厚生局より)と指摘され、また昨年の要望に対して、「査定により保険診療が認められなかった場合については、患者に対する一部負担金の返還は、必要と考えています。」と回答されたが、減額査定による患者に対する一部負担金の返還が必要な法的根拠を示すこと。

〔回答〕

療養の給付に関する費用は、健康保険法第76条の規定により、「診療報酬の算定方法」(平成20年厚生労働省告示第59号)により算定されており、療養の給付を受ける者は、同法第74条の規定により、その給付を受ける際に一部負担金を支払わなければならない旨が規定されています。

したがって、当該療養の給付の算定額の一部が査定等により保険診療として認められなくなった場合は、算定額が減額となりますので、同時に一部負担金として支払う額が減額となることから、当然返金が必要となります。

 

7.自主返還
  • 個別指導後の自主返還については、本来、医療機関側の自己点検に基づく自主的な返還である。また、診療報酬の返還金の債権者では無い厚生局は、医療機関に対して請求権を持たない。これらのことから、返還の強要は絶対に行わないこと。さらに、個別指導後の返還事項を見ると、訪問診療料や疾患別リハビリテーション料などについて、実際に訪問診療やリハビリを実施しているにもかかわらず、カルテに開始・終了時刻がないというだけで返還を求められている。特定疾患療養管理料なども、指導内容の要点記載がないという理由だけでの返還が多い。いずれも療養の給付たる医学管理が行われているのに、課長通知に書かれたカルテ記載要領の一部を満たしていないという理由のみで返還が求められることは、到底認められない。それこそ、懇切丁寧な指導により改善を促すことで足りるものである。

〔回答〕

個別指導の実施については、指導大綱及びその他通知に基づき、各厚生局が統一的に実施しています。

厚生局自体は、診療報酬の返還請求権を有していないことは承知しているところですが、厚生局が行った個別指導の結果、明らかに算定要件を満たしていないものについては、行政指導として保険医療機関に自主点検の上、保険者に対して返還を行うよう依頼をしているところです。

この場合、保険医療機関は、法律上の原因なく利益を受けており、保険者に損失を及ぼしていますので、民法第703条の規定により、当然、利益の存する限度において返還する義務を負っており、自主的に保険者に対して返還を行う必要があります。

また、カルテの記載がない場合は、診療報酬請求の根拠が乏しいだけでなく、保険医療機関における医学管理が十分とは言い難いことから、指導にとどまらず返還を求める必要があると考えます。

 

8.集団的個別指導や高点数を理由とした個別指導
  • レセプト1件当たりの平均点数が高い医療機関を対象とする集団的個別指導や、同様に高点数を選定基準として行われる個別指導は、保険診療の改善に結びつくものではない。むしろ、医療機関に萎縮診療をもたらし、患者にとって必要な医療まで抑制しかねない。保険診療ルールの周知を徹底させるならば、集団指導を充実させるべきである。集団的個別指導は中止し、高点数を選定基準とした個別指導も実施しないよう求める。

〔回答〕

集団的個別指導や高点数を選定基準とした個別指導の実施については、指導大綱及びその他通知に基づき、各厚生局が統一的に実施しているところです。

 

【適時調査に関して】

9.準備資料
  • 調査前日に当日準備資料の指定が行われているが、この際、突然直近3年分の様式9号や管理日誌等を指定する事例が昨年寄せられた。現在、このような扱いが行われていないか実態を示すこと。

〔回答〕

適時調査では、直近1か月の様式9等の確認を行っていますが、調査の目的に応じ、必要な期間に係る書類を確認することがあります。

 

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