「向精神薬長期処方」減算規定の再確認 4月1日より対象者の減算始まる


2018年の診療報酬改定において向精神薬長期処方(ベンゾジアゼピン受容体作動薬の長期処方)の減算規定が設けられました。向精神薬長期処方の適正化は分かりますが、診療報酬において処方制限をかける手法に疑問の声も寄せられています。ただ、減算が4月から始まることもあり、多数の問い合わせをいただいていますので、改めて減算規定を確認しておきたいと思います。

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保険診療 虫めがね No.47

処方期間の算出について

「不安若しくは不眠の症状を有する患者に対して、ベンゾジアゼピン受容体作動薬を1年以上にわたって、同一の成分を同一の1日当たり用量で連続して処方している場合」に処方料が29点、処方箋料が40点に減算されます。薬剤料の減算はありません。向精神薬長期処方に係る処方期間の算出は2018年4月1日以降に行う処方が対象とされていますので、減算は2019年4月1日以降ということになります。

1年間の処方期間算出のポイントとしては、「同一の成分を同一の1日当たり用量で連続して処方している場合」とされていることです。個々の病態に応じて減量した場合、「用量の変更」に該当しますので処方期間はリセットされ、変更した時から再度処方期間を算出することになります。定期処方と頓服間の変更も同様の取扱いとなります。一方、1日用量が変わらずに、分3から分2にするなど、用法のみを変更した場合は、同一用量となりますので、処方期間は継続となります。なお、てんかん治療のために向精神薬を長期処方している場合は減算の対象とはなりません。

除外規定について

処方期間の算出は右記の通りですが、仮に向精神薬長期処方に該当する場合でも減算しなくてよいとの除外規定も設けられています。除外されるケースとして2つに大別され、①「不安又は不眠に係る適切な研修を修了した医師」又は「精神科薬物療法に係る適切な研修を修了した医師」が行った処方、②精神科の医師からの助言を得て行った処方については、長期処方に該当したとしても減算しなくてよいとされています。

①「不安又は不眠に係る適切な研修」の対象として、日本医師会の生涯教育制度における研修(日医eラーニングを含む)においてカリキュラムコード69「不安」又は20「不眠」を満たす研修で、プライマリケアの提供に必要な内容を含むものを2単位以上取得した場合が該当します。また、公益社団法人全日本病院協会による「向精神薬の適正使用に係る研修」も対象となる旨の事務連絡も出されています。

「精神科薬物療法に係る適切な研修」の対象としては、日本精神神経学会又は日本精神科病院協会が主催する精神科薬物療法に関する研修をいい、精神科の臨床経験5年以上を有する状態で受講した場合に限るとされています。

右記研修については、医師ごとに研修を修了する必要がありますので、一つの医療機関において研修を修了した医師がいたとしても、研修を修了していない別の医師が長期処方した場合は減算の対象になると解されます。

②「精神科医の助言」については、直近1年以内に精神科のみを担当する医師又は精神科と心療内科の両方を担当する医師による助言が必要となります。この場合、当該処方について助言を受けた旨と内容をカルテに記載しておくことになります。

①又は②のいずれかに該当すれば、減算の対象からは除外されます。

除外規定の届出、レセプト記載の必要性について

研修を修了した先生方から、厚生局への届出やレセプト記載は必要かといったご質問も寄せられています。3月31日現在、近畿厚生局への届出は必要とされていません。また、レセプトの記載要領においても特段記載することになっていませんので、レセプト記載の義務もありません。ですので、仮に厚生局や審査機関等から研修を修了しているかどうか確認された場合に、研修の受講証等により受講していることが証明できれば問題ないかと解されます。今後、取扱いが変更される可能性もありますが、その際には改めてお知らせいたします。

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