国民の受療権を守る政治への転換を求めよう

2025年7月1日
大阪府保険医協会
政策調査部長 斉藤和則

医療の質の低下を招き国民から医療を遠ざける大幅な医療費削減を許していいのか、7月20日に投票が行われる参議院選挙ではこの点が大きく問われている。

自民党・公明党・日本維新の会は6月、OTC類似薬の保険はずしや病床11万床削減などで合意し、「骨太の方針2025」にも盛り込まれた。

 ある難病患者が立ち上げたOTC類似薬の保険適用存続を求めるオンライン署名には、8万5千を超える賛同とともに幅広い世代の当事者から、「(保険適用外となれば)治療が続けられない」「私の命は守られない」など悲痛な声が寄せられている。

骨太の方針では、更なるOTC化も掲げており、一度保険はずしを許せば続々と薬が保険外となることが予想される。この問題を参議院選挙の争点へ大きく押し上げ、保険はずしをストップさせよう。

いま、国民の暮らしの支えになるべき、医療・介護が大きな危機に直面している。長年にわたる診療報酬の実質マイナス改定や医療DXの押し付け等により、病院の6割が赤字となるなど多くの医療機関が維持困難な状況となっており、このままでは地域医療が崩壊する。

医療を担い守る立場として、政府に小手先の点数評価ではなく、技術料を中心とした抜本的な診療報酬の引き上げを求めていこう。

政府は、防衛費には糸目をつけず過去最大の約8兆円と大幅に増加させている。予算の組み換えや、同じく過去最大に膨れ上がっている大企業の内部留保539兆円の活用や大企業・超富裕層への優遇税制を改めるなど、所得再分配機能を高めることで、国民のいのち・くらしを守る政策・制度の充実は実現可能だ。

政府は国費を投入して国民の医療を受ける権利を守るべきであり、その実現には政治の転換こそが必要だ。私たちは、早急に地域医療を守る手立てをとり、社会保障の公的役割を縮小する方針を撤回させるために衆院同様参院でも与党の過半数割れを目指し奮闘しよう。

           
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