☆2008年4月1日、厚生労働省は、生活保護の医療扶助による医療では後発医薬品の使用を原則とし、指導に従わない場合は保護の打ち切りまで検討するという内容の通知を各都道府県に通知しました。
☆これに対し協会理事会は4月22日、下記の「要求書」を決定し、舛添要一厚生労働大臣と中村秀一厚労省社会・援護局長に提出、各政党、マスコミ各社へも送付しました。
厚生労働大臣 舛添 要一 殿 厚労省社会・援護局長 中村 秀一 殿生活保護患者への薬剤使用差別の撤回を要求する 2008年4月22日 大阪府保険医協会 理事長 高本 英司 ■厚生労働省は4月1日、社会・援護局保護課長による「生活保護の医療扶助における後発医薬品に関する取扱いについて」を、各都道府県等に通知したが、この中で生活保護による医療では後発医薬品の使用を原則とし、指導に従わない場合には「保護の廃止を検討する」としている。これは人権にかかわる重大問題であり、生保患者も含む国民の医療に携わる者として断じて黙過できない。
■通知では、生活保護による医療を受けている患者が、後発医薬品を選択していない場合、福祉事務所は、第1段階で処方医への理由確認と本人への口頭指導、第2段階で本人からの聴取、第3段階で文書による指導を行う、第4段階では生活保護の変更・停止・廃止を検討する、としている。
■しかし、本人への指導や事情聴取、さらに保護の廃止まで迫るというやり方は、患者のおかれている状態からすれば、事実上、行政の「強制」となることは明らかである。処方医が医学的な理由があると判断した場合は除くとしているが、生活保護による医療を受けている患者のみに対して、福祉事務所が薬剤使用の制限を強要することは差別であり、断じて容認できない。
■生活保護をめぐっては、貧困世帯の激増で予算不足となる事態の中、政府の社会保障給付を毎年2,200億円削減する方針に沿って老齢加算や母子加算の廃止が打ち出され、さらに一部の不正受給(行政の怠慢に責任がある)を口実に、通院費を大幅削減する支給基準に改定するなど、最後のセーフティネットとしての存在がいま大きく揺らいでいる。
■今回の後発医薬品に係る通知もこの流れの中のものと思われるが、「貧乏人には必要最低限の医療でいい」、「医療の質には被保護者は自己判断・自己選択する権利を認めない」といわんばかりの露骨な差別が公然と持ち込まれたことは重大である。これは日本国憲法第11条の基本的人権、第13条の個人の尊重、そして第14条の法の下の平等に明らかに反するもので、こうした通知を平気で出してくる官僚こそ、職権の乱用、職務の逸脱だと言わざるを得ない。
■私たち大阪の開業医を中心とする保険医協会は、既に1990年代から、医療費の適正配分のためにも、良質なジェネリック医薬品の普及を呼びかけてきた経緯があるが、単に医療費削減や、さらにはこのような医療差別に用いられることは重ねて容認できない。
■4月1日付け通知をただちに撤回することを要求する。そして日本国憲法第25条、および生活保護法第3条の「保障される最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならない」との規定を遵守し、国民の生存権を保障する保護行政に徹することを強く求める。
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